~パソコンに憧れ、ポケコンを使う~

私はこれまで何度か、自分のPC購入歴について語ってきました。ただ、特に前回(2015年)の企画は、PC1台ずつを詳しく語りすぎて、読むのが面倒なものになりました。
そこで今回は、主にメインマシンの世代で区分して、要約してご紹介したいと思います。



私とパソコンの出会いは、なんといっても、すがやみつるの漫画『こんにちはマイコン』にありました。そこで紹介されていたNECのPC6001に憧れたのが始まりです。しかし、子供だった私に、「家庭用」とはいえ、パソコンなど手が出るはずもありません。そこで、学校で「マイコンクラブ」に入り、備品のパソコンPC6601をいじっていました。

パソコンには手が出なくとも、ポケコン(ポケット・コンピュータ)なら買える…。友人がCASIOのPB100を持っていたのを見て、私が初めて購入した「コンピュータ」と名のつくもの、それがCASIOのPB200でした。買い値で1万1000円くらいだったと思います。友人のPB100も、増設パックと呼ばれる拡張RAMを入れていたので、内容はPB200と全く同等でした。
PB200について書いてる人のブログ↓↓)
https://www.asari.jp/diary/archives/007280.html

今のPCのイメージと違い、BASICという言語で自分でプログラムを作って実行させる機械です。12文字×1行だけの画面で、グラフィック機能はなく、英数字と記号の表示のみで、プログラムに使える文字数は1568文字しかありません。しかし、その1文字もムダにしないよう節約して、小さな画面と文字だけでゲームを自作することに熱中しました。友人と2人で共同制作したり、雑誌に載っているゲームのプログラムを打ち込んだりしました。

こんなに小さな画面ながら、工夫をすればアクションゲームも作れます。実際私も、レーシングゲームやシューティングゲームを作りました。

ちなみに、ボタン型電池が切れると、すべての内容がぶっとんでしまいます。当時はまだ、通電しなくても記録を保持できるフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)が使われていなかったので、電池寿命(およそ数ヶ月)で中身が消し飛び、プログラムを全部打ち直していました。


ゲーム作りに慣れてくると、だんだん、この小さな画面の制約を超えてみたくなりました。そこで今度は3万円ほど出して、SHARPのPC1350という上位機種(正式には「ポータブル・コンピュータ」と称した)を購入しました。

PB200が12文字×1行だったのに対し、PC1350は24文字×4行と大幅に画面が広くなっています。また、横150×縦32ドットの画面の中で、「GPRINT」というコマンドを使って簡易的な絵を描く機能もありました。

しかし私にとってPC1350は期待ハズレに終わりました。たしかに大画面で多機能ではありますが、CPUの性能が機能に追いつかずに、PB200よりもはるかに処理速度が劣っていたのです…。PC1350の性能では、アクション系のゲームはまず作れませんでした。

一方で、学校のパソコン(かなり年代物の富士通FM7)で鋭意制作していた学習用プログラムも、事故で消失しました。全500行以上(10ずつの行番号で5000番以上)の力作を失った落胆は大きく、私はそれから長いこと、コンピュータ趣味を失いました。


数年後、そんな私が久々に出会ったのが、PC1490Uという理工系学生用のポケコンです(正式にはポータブル・コンピュータ)。
これは、40文字×4行、240×32ドットとさらに大画面化されており、加えてCPUも高速化していたので、性能・機能とも十分でした。普段は単4電池で駆動し、電池交換の時はボタン型電池に通電を切り換えることにより、せっかくの記録内容が消し飛ばない仕様になっています。

ただ惜しむらくは、私自身がすでにプログラミングへの熱意を以前ほど持っていなかったので、それほど活用しないまま終わりました。


パソコンに手の出なかった時代から、こうして私はポケコンに親しんでいました。もっとも、本物のパソコンを持つようになってからは、自分でプログラミングをすることはなくなりました。プログラミングという意味では、最初のPB200のときに、ほぼ燃え尽きた感があります。