なぐものCHOTお話しブログ

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~上級CPUへのこだわり~

結果的には過去最高の長寿になったPC-LL970DD同等品が3年でメインマシンの座を譲ったのは、酷使(特にフリーソフトのインストールとアンインストールの繰り返し)のあまりに処理速度が激しく低下したからでした。レジストリのクリーンナップなど、各種の高速化ソフトもあまり効果がなくなりました。それより前に、売られている新製品はWindowsVistaになっていましたが、評判最悪のVistaを嫌って「買える時期」がくるまで我慢していました。

買える時期…というのは、VistaにSP(サービスパック)1が出るまでです。SPというのは、機能を追加したり不具合を修正したりするマイナーバージョンアップ版です。Vistaは当初「完成度がベータ版以下」といわれる状態だったので、SP1が出たらそれが修正されて動作が安定すると考えました。

そして、SP1が出て、さらに少し待って「型落ちの上位機種」を狙いました。それが、六代目メインマシンの、富士通FMV-BIBLO NF/A70Nでした。
FMVBIBLO NFA70N
※↑↑FMV-BIBLO NF/A70N。私の買った「ノートPC」の中で最も重く4kgを超える。そのぶん堂々とした姿で、高性能を求めたのでVistaも難なく使いこなせた。液晶の画質も最高だが、内蔵スピーカーの音質はノートPCにしてもひどく残念。

Vistaはとにかく動作が重いことで有名でした。それでも快適さを保つには、高性能でないといけません。しかし高性能にすると高価になります。そこで、型落ち品を狙いました。

CPUはCore2 Duo T9300(2.50GHz)で、メインメモリは4GBです。ノートPC用ではありますが、9000番台というのはCPUの型番としては最上位シリーズでした。WindowsVistaは32ビット版です。この当時はまだソフトウェアも32ビット用が主流だったので、OSだけ64ビットを買うとかえって不便だと判断しました。そして、32ビットのOSでは、3GBまでしかメモリを認識できません。3GBというメモリの選択肢は無いので、4GBを購入しました。32ビットOSとしては最大容量です。

さらに、1GBのターボメモリというものを追加しました。これは、HDDの読み書き(主に読み込み)を高速化するためのキャッシュメモリです。高性能を目指すことで、Vistaの最大限の「重さ対策」をしました。その結果、Vistaも特に重く感じず、体感ではXPとほとんど同じでした。

ここまで豪華装備で、値段は約13万円。すごくお買い得でした。


ところで、出張用のFMV-LOOX Uですが、持ち運びには最高でも、やはり小さすぎる画面と省略されすぎたキーボードで使い心地が悪く、もう少し大きくて普通っぽいものが欲しくなりました。使い道は、ネットの閲覧やYouTubeの視聴などに限定されるので、性能は度外視で安さ優先です。

その観点で選んだのが、当時人気だった「ネットブック」というジャンルのONKYO C205A3でした。
ONKYOというのは音響機器メーカーとしては老舗ですが、PCについては、SOTECを吸収して参入しました。つまり「旧SOTEC製」です。
C205A3
※↑↑ONKYO C205A3。閉じると光沢純白、開くと黒、サイドに赤いラインというセンスの良いデザインだが、Windows7を使うには性能が不足しすぎた。まだXPのサポートが延長されていたので、これがXPマシンなら快適だろうに…と思わずにいられない。

画面はネットブック主流の10.1インチ、OSはWindows7 Starterで、私にとって初のWin7マシンでした。「Starter」は、同時に開けるウィンドウが3つまで、壁紙の変更ができないなどの機能制限付きバージョンで、非力なCPUでも動く仕様です。CPUはまさに非力で、Atom N270(1.60GHz)という、Atomの中でも初期型です。メモリも1GBと最低限でした。重さは960g。

ネット閲覧程度には支障のない画面サイズと、小さめながら標準的な配列のキーボード、それに私はデザインが気に入りました。外観は光沢の白、開くと黒、サイドに赤いラインが入っています。ボディーは薄くてフラットなのでスタイルも良く、鞄にも入れやすい形状でした。よく見ると作りそのものは雑な部分もありますが、パッと見には高級感があります。値段は2万7000円という激安でした。
ストレージが32GBのSSDで、SSDを使うことで非力なCPUをカバーしていますが、容量が小さすぎるので常に16GB(のちに32GB)のSDカードを挿入して、データエリアにしました。

ところが、予想以上に非力で、ネット閲覧にも支障があるほどでした…。MP3の音楽すら、ときどき音飛びするほどです。WindowsXPならこの性能でも良かったでしょうが、Windows7だと、OSそのものを動かすので精一杯でした。


メインのFMV-BIBLO NF/A70Nも、最初は快適でしたが、Vistaのせいか2008年の購入から2年で不安定化します。動作の重さは性能で克服できても、頻発するフリーズに加えて3日に1回はブルースクリーンが出る始末で、いつ死ぬかわかりません。しかしまだメインマシンの交代はしたくなかったので、いざという時に困らないよう、ワンポイントリリーフ用のマシンを選びました。

これを急いで買った理由のひとつに、東日本大震災がありました。大震災で物流が停滞する可能性を考え、物流網が生活必需品優先に割り振られたら、必需品でないパソコンが入荷しなくなる可能性があると考えました(実際にはそういう現象は起きなかった)。

あくまでワンポイントですから安さ優先です。メインマシンの選定には時間がかかるので、つなぎのためのマシンです。とはいえ、メインの代理なので十分な機能性も必要です。性能面では妥協しても、まったくの度外視はできません。厳しい条件ですが、あっさり決まって飛びついたのが、lenovo IdeaPad G475 436022Jでした。3万2000円という安さで、メインマシンのリリーフが可能です。
G475
※↑↑IdeaPad G475。メインマシンのリリーフとして買ったものの出番なく…と思ったら、後から大いに出番が訪れた幸運PC。目立つ特徴や飾り気はないが、必要な部分を押さえてある。Win7サポート終了まで活躍。

画面が14インチとやや小さく、CPUはAMD Dual Core E-350(1.60GHz)という低価格モノですが、一応デュアルコアだし、AMD製なのでintel製品に比べるとグラフィック性能が重視されています。メインメモリは2GBで、小さいが許容レベル。OSはWindows7 Homeの32ビットです。

lenovoはIBMのPC部門を吸収したせいか、キーボードが非常に打ちやすくできていました(もともとIBMはキーボードが打ちやすいことで有名だった)。性能面でやや我慢があったり、液晶の色味に少し偏りがあって調整したものの、DVDマルチドライブを装備し、格安で十分な機能をそなえていて満足できました。これほどコスパの良いマシンはないというくらいでした。

ところが、この代替マシンを買った直後に、なぜか何もしていないのにメインマシンのBIBLO NF/A70Nが安定を取り戻します。ブルースクーリーンも出なくなり、フリーズもほとんどなくなりました。そうなっては代替の出番はなく、買ったとたんに不要になるという不運に見舞われました(のちに復活する幸運が訪れます)。


ところで、時代はすでにWindows7です。Windows7は完成度が高く人気がありましたが、私にとっては、まだWindowsXPを捨てられませんでした。XPマシンをできるだけ長く持ち続けたいことから、店頭でもネットでも新品がほとんど消えた最終期、2012年になって、私は「最後のXPマシン」を購入します。

ビジネスモデルの、東芝dynabook Satellite L35 220C/HDです。値段は約5万5000円。性能が低いわりに高価ですが、これはXPマシンにプレミアがついたのか、やや価格上昇した結果でした。
SatelliteXP
※↑↑dynabook Satellite L35。「メインXPマシン」として、現在も現役で使っている。飾り気は最初から求めていないが、天板の巨大なTOSHIBAロゴはパソコンそのものが広告じゃないかと思うほど無粋。

CPUはCeleron900(2.2GHz)のシングルコア、メモリは1GBと絶対値としてのスペックは低いですが、なにしろ動かすのがWindowsXPなので、これでも非常にハイスペックです。
ビジネスモデルなので野暮ったい代わりに堅牢性は抜群で、また、ちょっとでも揺れたらHDDへのアクセスを停止して保護します。画面も地味ながらLEDバックライトでも蛍光灯のように目が疲れにくく(デフォルトでブルーライトが低減されている?でもその割に発色が偏っていない)、目立たないところがしっかりしている堅実モデルです。本体も必要以上に分厚くできていますが、見た目よりも頑丈さと排熱を優先したデザインであることがうかがえます。
ただ、天板のど真ん中を占める巨大なTOSHIBAロゴだけはやめてほしいレベルで、「質実剛健」という印象すらわざわざぶち壊して、みっともない状態になっています。


最後に、今回紹介したマシンのその後をまとめておくと…

メインマシンのFMV-BIBLO NF/A70Nは、結局購入から4年後の2012年に限界を迎え、次のメインマシンにその座を譲りました。私の新規購入の目安が3年なので、結果的には長くがんばったことになります。
メインの座をおりてからは、Windows7にアップグレードして、動作が安定しました。ドライバの非対応で指紋認証やターボメモリは使えなくなりましたが、Vistaより動作の軽い7はかえって快適に動きます。ただ、重量4kg超とノートPCとしては重く、「サブマシンとしての使い道」には恵まれませんでした。蛍光灯バックライトの液晶はLaVie LL970DDに匹敵する美しさで、使わずにいるのは惜しい存在でありながら使わずにいます。

モバイルのONKYO C205A3は、デザインが非常に気に入っていたのに性能があまりにも不足して、短命なまま次回紹介するマシンにその座を奪われます。

買ったとたんに出番を失ったメイン代替のIdeaPad G475ですが、思わぬ復活をとげました。私の出張ラッシュがなくなり、ときどき近場に持って行く用途のPCが必要になってくると、ひとまわり小ぶりのボディーがちょうどよく、しかもひととおりの動作をこなしてくれるのでとたんに脚光を浴びました。2011年購入でお蔵入りでしたが、2014年あたりから急に目立って「サブマシン化」します。結局、2020年1月にWindows7のサポートが終了するまで活躍しました。性能こそ最低限ですが、活躍の度合いに値段の安さを考慮すると、私のPC歴で最高のコストパフォーマンスマシンになりました。

最後に東芝dynabook Satellite L35ですが、現在、XP用ソフトのために完全に現役です。2012年購入で間もなく8年ですが、全く不具合がありません。あと数年は使えそうで、「XP環境の最終保存」の役割、見事に果たしてくれています。
XPマシンなら、NECのPC-LL550/4Dも動きますが動作が不安定だし、SOTECのWinBook WS5000-Sも使えますが作りが雑で画面もよくないので、やはりdynabook Satellite L35が最良です。

~しっかりしたメインマシン~

メインマシンのPCV-RX52よりも、サブマシンのPC-LL550/4Dのほうが高性能…これによって、メインマシンをより高性能なものにしたくなりました。以前、メインマシンのPC STATION M250AよりもサブのPC-LM600J62DRのほうが上回ったせいで、メインを買い換えたくなったのに似ています。

このころになると、メインマシンは自分のニーズに合わせてBTOするようになりました。高価なぶん、必要のない部分にお金をかけたくないし、欲しいところは押さえておきたいからです。また、このあたりから、「メインマシンには高性能を求め、サブマシンはコストパフォーマンスや低価格路線」という方針が固まってきました。

そして2005年の五代目メインマシンは、NECダイレクトでBTOしたノートPC、LaVie G Type Lでした。内容は、市販品のPC-LL970DDと全く同じです。値段はおよそ19万円です。
LaVieG TypeL
※↑↑故障寸前の時期に撮影したLaVie G Type L(PC-LL970DD同等)。すでにキーボードが完全に利かなくなり、外付けしている状態。それほど酷使し、史上最長期間活躍した。

CPUはPentiumM740(1.73GHz)、メインメモリ768MB、光学ドライブはDVDマルチです。DVDマルチというのは、DVD-ROM、-R、-RW、+R、+RW、-RAMに全て対応したものです。DVD+Rや+RWは今ではあまり見かけなくなった規格ですが、当時はDVD-Rや-RWと互角に競争していました。
さらに、今回もテレビチューナーと録画機能をつけました。メインマシンにノートPCを選んだのは、初代メインマシン以来のことでした。

この、PC-LL970DD同等品は、なんといっても画面がキレイでした。液晶パネルのバックライトが当時はLEDでなく蛍光灯だったので、消費電力や重量、寿命の面では劣りますが、色味や視野角では上回ります。今ではLEDバックライト液晶もキレイになりましたが、目が疲れにくいという面では、蛍光灯にかないません。

録画機能も発展し、同じMPEG2録画でも、PCV-RX52よりも小さいファイルサイズで画質は向上していました。MPEG2ですが、拡張子が.mpgでなく、見慣れない.m2pというものだったので、圧縮の仕方に独自の工夫があったのかもしれません。

スピーカーの音質はあまり良くなかったものの、私はこれを非常に気に入りました。そのため、何をやるにもこのマシンを使うようになり、私のパソコン史上で最も酷使したマシンになりました。ちょうど本格的にネットを始めた時期でもあり、良さそうなフリーソフトを次々とインストールしたり、気に入らなければアンインストールしたりしたので、ハード的な意味だけでなくソフト的な意味でも酷使しています。
これを使えば、もう性能差で今までのサブマシン(PC-LL550/4D)を使う気がなくなります。私も実家近くに戻っていたので、実家用サブマシンは必須ではなくなっていました。

この時期はWindowsVistaの発売前で、Vistaの前評判が非常に悪かったので、できるかぎりXPマシンを使い続けようとしました。そこで、モバイル兼XP環境保存用のサブマシンを翌年に購入します。条件は、将来に渡って通用するために高性能であり、高機能であり、持ち歩ける大きさであり、かつ、メインではないのであまり高価でないという厳しい条件でした。
「Vista避け」以外に明確な用途を想定しなかったので、あらゆる用途に対応でき、しかも価格を抑えるというわけです。

そこで購入したのが、SOTECのWinBook WS5000-Sでした。
WS5000-S
※↑↑SOTEC WinBook WS5000-S。細部の作りは雑だが、比較的低価格で高機能・高性能。HDDもIDEでなくSATA規格。一時期Windows7にアップグレードするが、発熱が大きくなったので、現在はXPに戻してある。

CPUはCore2 Duo T5500、メインメモリ1GBと、また性能面でメインマシンを上回りました。DVDマルチを搭載し、12.1インチ液晶です。WindowsXPですが、Vista対応保証でした。値段は約16万円。安くはありませんがスペックに比べると割のいいマシンでした。ただ、犠牲になっているのが細部の作りやデザイン性、そして何より液晶品質でした。

しかし、私の「Vistaが出たらXPが消える」という危機感は外れます。Vistaの不人気とXPのあまりの人気ぶりに、Microsoftが折れてXPのサポートを延長しました。また、酷使しているからメインマシンの故障も早いだろうという予想も外れ、タフに長く活躍します。

さらに、私は当時、宿泊の出張が多かったので、出張先に持って行く超小型PCも欲しがっていました。それにピッタリだったのが、富士通のFMV-BIBLO LOOX U50WN1でした。大容量バッテリを搭載しても690gという軽さはまさに究極のモバイルです。ただ、小ささのために画面が5.6インチと今のスマホなみに小さかったり、キーボードのキーの数が少なく配列も特殊だったりして、操作性が大いに犠牲になっていました。値段は約6万円。
LOOX U
※↑↑LOOX U。スマホなみのサイズ5.6インチ画面に合わせてかなり無理にまとめてあった。画面を裏返してタブレット形式での使用も可能。右上の四角い黒いスティックでカーソルを操作、左上のボタンが左右ボタンにあたる。画面右の金属は指紋認証。

それでも小ささと軽さは持ち運びに最適です。私は、自宅ではPC-LL970DD同等品を使い込み、出張にはLOOX Uを持って行く生活を続けました。


そして、この3台の「その後」ですが…

PC-LL970DD同等品は、使い込みすぎて速度低下が激しくなり、3年後にメインマシンから外れました。
しかしその後、Cドライブの整理をすると性能がある程度復活し、なおもサブマシンとして活躍を続けます。やがてEnterキーが言うことを聞かなくなると、テンキーを外付けしました。さらに他のキーも壊れると、外付けキーボードを使いました(上の写真はその時のものです)。
WindowsXPのサポート終了後は、ネットから切り離して利用しつづけ、ついにBIOSすら起動できなくなるまで合計10年以上もの間、放置する期間なく使いまくりました。そこまで使った何よりの理由は、やはり「画面の美しさ」です。まさに、最高に使い倒したマシンとなりました。
数多くのパソコンを買った私が、最高の1台を選ぶなら、迷わずこれを選びます。

WinBook WS5000-Sは、ずっと出番なしの状態が続きました。しかし、近距離を持ち歩けるXPマシンとして時々使い、さらには、Windows7にアップグレードします。Vista対応とのことでしたが、7でもほぼ問題なく動きました。そしてWindows7の持ち歩きマシンとして使ってきましたが、のちに別のマシンをその用途に当てたため、WS5000-SはふたたびWindowsXPに戻しています。Windows7の動作はやや無理があるらしく、発熱がすごいのです。

WS5000-Sからは内蔵HDDの規格がIDEでなくSATAなので、その後のHDD交換も容易で、今ではSSDに入れ替えています。

そして、LOOX Uですが、これだけは長くは使いませんでした。たしかに、持ち運びにこれ以上のPCはありません。でも使い心地が悪すぎました。モバイルPCの選び方は、大きさや重さと使い心地のバランスが難しいものです。

~PCとTV、ビデオを融合した一台~

サブマシンとして購入したLaVie M PC-LM600J62DRは、WindowsMeで、CPUにMobile PentiumⅢの600MHz、メインメモリ64MB、光学ドライブはCD-RWという構成で、メインマシンを上回っていました。こうなると「見劣りするメインマシン」に不満が生じ、より高性能なマシンが欲しくなります。

いろいろ迷った結果、四代目のメインマシンは、SONYのVAIO PCV-RX52V7となりました。
PCV-RX52
※↑↑譲渡直前に撮影したPCV-RX52。付属CRTディスプレイが故障したのちSAMSUNGの液晶ディスプレイに交換している。

SONYのPCV-RXシリーズはAVパソコンで、シリーズとしては最上位です。その最上位シリーズの中で、RX52は最下位モデルでした。CPUはAMD社のAthlon 1GHzで、私にとって初めてのGHzマシンです。メインメモリは標準128MBを384MBに増設、SCSIボードも加えて、画面は19インチCRTでした。光学ドライブは、DVD-ROMとCD-RWを両方、ダブルで搭載しています。上の写真では、上段がDVD-ROM、下段がCD-RWです。
値段は全部合わせて18万円ほどで、内容に比べると非常に安いレベルでした。

この安さの秘密は、WindowsXPが発売されたあとに購入した、売り切れ寸前のWindowsMeマシンだったからです。Meは私自身は気に入っていましたが、何より動作不安定のせいで世間の評判がよくありませんでした。XPが発売されたのでMeマシンは値崩れ状態となり、そこを狙ったのです。

テレビ機能内蔵で、MPEG2、またはMPEG1での録画ができました。ただ、約60GBという内蔵HDD容量から、MPEG2ではすぐに足りなくなり、MPEG1での録画のほうが実用的でした。MPEG1の画質はお世辞にも良いとは言えませんが、番組を視聴するのに最低限の画質はあります。

このPCは非常に拡張性が高く、DVD-ROMとCD-RWのほか、写真にも見えますがノートPCに使われるPCカードスロットもあり、テレビパソコンとして映像入力が2系統、出力が1系統ありました。USBのバージョンは1.1ですが、速度的にUSB2.0を超えるi.Link(IEEE1394)端子も備えていて、そこにDVD-RAMを接続して使いました。

情報漏洩防止のために仕事のデータの持ち帰りが原則禁止になったことで、これ以後のPCは純粋に趣味用途になりました。


さて、先に購入したサブマシンの12.1インチノートのPC-LM600J62DRですが、購入から半年で手放すハメに陥ります。急な事情で突然、押し買いされてしまったからです。手放す前日までは夢にも思わない事態でした。内部の個別データを削除するのが精一杯で、ゲームのアンインストールさえできませんでした。ただその代わり、私の買い値とほぼ同額の17万円で売却しました。

このマシンは、売却先で3年ほど使われますが、のちにBIOSの不良をNECが緊急告知。画面を閉じることでスリープした場合、CPUの冷却ファンが停止するのにCPU自体は停止せず、最悪の場合は故障するという話でした。しかし、私が売却先にその情報を伝える直前にすでにその原因(らしい)で故障してしまっていました。

突然サブマシンを手放した私は、さらに1万円を加えて18万円で、ひとつ上位の同じようなマシン(LaVie G Type M)をBTOで買います。WindowsMeで、CPUはMobile PentiumⅢの800MHz、メインメモリ64MB(のちに増設で192MB)、光学ドライブはDVD-ROMとCD-RWのコンボという、ワンランク上の構成です。
LaVieG TypeM
※↑↑LaVie G Type M。性能的には店頭モデルのPC-LM800J72DHと同等の構成。前のサブマシンPC-LM600J62DRも見た目はシール以外同じで、おそらく同一の筐体が使われている。

実はこのマシン、2001年12月購入で18年以上前のマシンでありながら、今でも起動できる状態で保有しています。しかもHDDが古いIDEタイプにもかかわらず、IDE接続のSSDに交換しているので非常に速くなっていて、手元に現存する最古の使用可能なPC、かつ唯一のWindowsMeのPCです。
LaVieG TypeM2020
↑↑2020年2月9日撮影の起動画面。見てのとおり液晶画面がかなり劣化しているが、使用に耐えうるレベル。それよりも危険なのはACアダプタの接触が悪くなっていることで、ちょっと触ると電源供給が切れてしまう。


メインマシンのPCV-RX52は、MOドライブや外付けHDD、外付けDVD-RAMなどを接続して、テレビを大いに見て録画もしました。購入後2年でCRTディスプレイが故障しますが、SAMSUNGの17インチ液晶(1280×1024ドット)に交換し、通算4年間、メインマシンとして活躍しました。

ただ後半は、私が実家から遠方の不便な土地に転勤したせいでLaVie G Type Mを持ち帰るのが億劫になり、実家にWindowsXPのサブマシンを購入したことから、どちらがメインでどちらがサブか分からなくなってきます。XPのほうが動作が安定しているうえ、性能も後から購入したぶん上回っていたからです。購入したのは、NECのPC-LL550/4Dで、CPUはAthlonXP1400+(1.2GHz)、メモリは256MB(のちに増設して512MB)でした。
LaVie L
※↑↑PC-LL550/4D。廉価モデルではあるがバランスが良く実用性が高かった。USBが1.1なのが最大の弱点だったが、PCカードで2.0にバージョンアップしてからはメインマシンを上回る活躍を見せる。次回で紹介する次代メインマシンの故障後は、一時期貴重なXPマシンとして復活した時期もある。

実家にこのPC-LL550/4D(約13万円)を買ったので、LaVie G Type Mは持ち運ぶ必要がなくなり、それほど使わないうちに置きっぱなしになりました。それが、いまだに動く理由かもしれません。

PCV-RX52は、購入から4年後に次のメインマシンを購入したことで完全引退。マシンとしては健全に動作する状態のまま、1年間放置されました。しかしその後、このまま使わず朽ち果てるよりはと思い、あるネット友達に譲渡し、彼のマシンとして、さらにそのあとは彼の妹のマシンとして、私の時代も通算して9年弱のあいだ稼働して寿命を終えました。

私と、ネト友さんと、その妹さん、3人の主人に最後の最後まで大切にされて、天寿をまっとうしました。

~「高く長く使う」か、「安く短く換える」か~

PC486NA/S2を放棄してから、しばらく私のPC歴には空白期間がありました。時間的にも環境的にも、それどころじゃなかったという感じです。

その後、ひと息ついてから、いよいよWindows95マシンを購入しようとしました。かつての「NEC王国」はとうに崩壊し、本家のNECが細々とPC9821シリーズを売っていましたが、もうそんな時代ではありません。

私が二代目のメインマシンとして選んだのは、富士通のFMV-DESKPOWER SⅣ207でした。
機種としてはSⅣ205に次ぐ「下から二番目」ですが、メインメモリの標準32MBを最初から64MBに倍増させたこともあり、私のPC購入歴で最も高価な、28万円を超えるマシンになりました。
もちろん、それだけ長く使うつもりでした。

CPUは、MMX Pentium200MHzです。当時のCPUの序列は、上位にPentiumⅡ、下位にMMX Pentium、廉価の一部に旧世代のDX4が残っている状態で、スペック的には「下の上」くらいでした。メモリを増やしてあるので全体的に「中の下」といったところでしょうが、それでも28万円でした。
CRT画面は17インチで、最大1280×1024ドット(SXGA)表示が可能でしたが、最大表示にするとやや負荷が重くて画面がチラつくので、実用解像度は1024×768ドット(XGA)でした。

これで性能的には十分、のはずでした。ところが、のちに仕事を持ち帰ってこれを使うようになると、3.2GBのHDD容量があっという間に逼迫しました。仕事もありますがプライベートでもデジカメを購入し、写真を保存するようになると、3.2GBなどたちまち埋まってしまいました。

当時の私に、自力で内蔵HDDを交換する度胸はありません。どうにか外部にデータを保存しようとしましたが、方法がありません。まさか1.44MBのFDDで画像の管理はできませんし、光学ドライブはCD-ROMで、書き込みできません。USBのバージョンは1.0で、外付けの記憶装置に対応していませんでした(外付け機器にデータ保存ができるようになったのはUSB1.1から)。購入時に、ISA拡張スロットにSCSIボードを増設しておけば良かったのですが、購入時にはそんな想定はありませんでした。

方法を探してやっと見つけたのが、zipドライブです(ファイル圧縮形式のzipとは無関係)。FDDを分厚くしたような感じで、1枚あたり250MBの保存ができ、しかもパラレルポート(プリンタ接続用)でデータのやりとりができます。これで一時はしのげましたが、しかしzipディスクは非常に高価で、とても数多く買う気になれませんでした。

そんなわけで、マイPC史上最高額で購入したマシンは、わずか2年で放棄するはめになりました。


PC業界の発展はすさまじい速さで進みます。高価なマシンを買っても長く使えないなら、逆に安いマシンを短いサイクルで買い換えるほうが得策だ。
そう考えて購入した第三代メインマシンが、SOTECのPC STATION M250Aでした。Windows98SEです。

特徴は何よりも安さで、11万円ほど。先代の半分以下です。CPUはCeleron500MHz。本当はPentiumⅡ500MHzが目標でしたが、安さ優先で廉価版CPUにしました。また、書き込み可能なCD-RWドライブが欲しかったところでしたが、読み込み専用のDVD-ROMで妥協。その代わり、ISAに代わる新規格のPCIスロットにSCSIボードを増設して拡張性を確保したほか、メインメモリも標準64MBを128MBに倍増させました。

安いマシンで、プレインストールされているソフトがほとんどないことや、評判の良いWindows98SEということもあって、起動も早く動作も安定して、廉価モデルとは思えない使い心地でした。CRTディスプレイやスピーカーは、先代のDESKPOWERの付属品のほうが高品質なので、そちらをつなぎました。
画像データは、SCSI接続のMOドライブに保存することにしました。

ところがすぐに安物ぶりが露呈します。

まず購入3週間で、CPUの冷却ファンが異常振動を起こし、飛行機に乗っているような騒音を立てるようになったこと。MOドライブが謎のエラー(クロスリンク)を起こし、保存していたデータの半ばが消失したこと。購入後1年で、内蔵HDDが物理的に異常をきたし、読み書きできないセクタが次々と発生したことです。やはり安物でした。

その代わり、安物だからといろいろ思い切っていじってみることもでき、スキルアップには役立ちました。CPU冷却ファンとHDDは交換し、MOについては、残ったデータを外付けHDDに移しました。どうやら問題はここまでだったようで、これだけの対策であとは見違えるような安定動作に入ります。

このころ私は自宅と実家の往復生活をしており、タワー型のPC STATION M250Aでは、実家でパソコンができません。そこで初めて、サブマシンの購入を検討するようになりました。安物は安物なりに苦労したので、サブマシンの条件は、信頼できること、高価ではないこと、持ち運べること、そしてメインマシン代替レベルの機能と性能を持つことです。

こうして購入したのが、NECのLaVie M PC-LM600J62DRでした。値段は約17万円、性能的にもメインのPC STATIONを上回るマシンです。しかしこれはあくまでもサブ用途です。持ち運び用なので、12.1インチ液晶の小型ノートPCでした。このマシンは数奇の運命に見舞われます。

PC STATION M250Aはその後、購入から約2年でメインマシンの座を譲ることになりましたが、メインを下りたあとも、サブマシンとして数年間活躍しました。安いうえにしばらく使ったマシンなので、下手をすると動作不安定を招きかねなくてメインマシンにインストールしたくない体験版などを遠慮なくどんどん入れる「乱雑に使うマシン」として非常に重宝しました。

最も高価なマシンよりも長寿命で活躍した廉価マシンとなりました。

~日本語ワープロ、そしてついに初代PCへ~

私は中学生のころから小説を書く趣味がありました。それにだんだん熱が入ってきて、大学に入る前には、地方のコンクールで賞を取ったりしていました。

何事も、熱が入ると道具を揃えたがる癖があります。小学生のころには一時期将棋に熱中し、実力もないのに立派な脚つきの将棋盤と本格的な駒を買ったことがあります。

小説に熱中し、さらに大学生になるとレポートや、将来的には卒業論文を書くことになります。そのため、私は当時まだそれほど普及していなかった日本語ワープロを欲しがりました。デスクトップ型の、富士通OASYS30SXです。
OASYS30SX
※↑↑以前、心雨に提供していただいた写真。これと同型のもの。


当時は液晶の品質がまだ低く、液晶画面では目がひどく疲れるので、CRT画面を選びました。さらに、私は日本語の横書きにまだ慣れていなかったので、縦書きで原稿用紙と同じ20文字を表示できる必要がありました。そうした条件を満たす機種がOASYS30SXでした。

購入から7年間で役目を終えるまで、小説やらレポートやら論文やら、原稿用紙換算で1万数千枚分の文章を書きまくるほど使いました。ワープロ本体が20万円ほどしましたが、熱転写プリンタなので印刷コストも高く、本体価格に負けないほどインクリボンを使ったかもしれません。


大学では、備品のPC9801VMなどをよく使いました。何に使ったかというと、ほぼ表計算(Lotus1-2-3)です。ところが、研究室に置いてあるPCは骨董品(古いのではPC9801Eなどがありましたが、記録メディアがすでに手に入らない8インチフロッピィなので誰も寄りつきませんでした)ばかりで、比較的にでもマシなPC9801VMに人気が殺到して、思うように使えませんでした。
そもそも、5インチフロッピィなんてなんで今さら使わなきゃならんのかと思いました。私が小学生のころから3.5インチがあったのに。

幸い、私のワープロには表計算機能があるので、順番待ちをせずに済む…そう思いましたが、甘い考えでした。ワープロの表計算なんて、ほとんど家計簿をつける程度の性能しかありませんでした。レポート作成に使おうとしたら、データ量が大きすぎてセルを1つ入力して再計算するまで10分待ち。しかも、メモリ不足で大きな表を作れず、2分割したりする必要がありました。レポートですらこれなのだから、来たるべき卒論で使えるシロモノではありません。

こうして、マイPC、初代メインマシンの購入となりました。

このときは、日本のPC業界を支配していた「NEC王国」の勢いにすでにかげりが見え、IBMのPC/AT互換機、いわゆるDOS/Vマシンが勢いを増しつつありました。ですが、研究室のPCがすべてNEC製品か、またはNEC互換のエプソン製品だったので、NEC系列以外に選択肢はありません。

結局、初めて購入したパソコンは、エプソンのノートパソコン、PC486NA/S2になりました。

CPUはi486SXの25MHzで、当時の下位機種としては普通よりやや上です。NECの同等機種、PC9801NS/Ri486SXの16MHzだったことを考えると高性能です。また、FDDを2機搭載していてデータコピーが早いことや、一般的にはメインメモリが640KBだった時代に1.6MBあったこと、さらにこのメインメモリを「RAMドライブ」と呼ばれる仮想FDDとして使うことで処理を大幅に高速化できるなど、トータルの性能は並以上でした。
値段は約21万円でローエンドマシンです。つまり、コストパフォーマンスにすぐれていました。

勉強にも使いましたが、それ以上にゲームに使いました。

ただ、モノクロ液晶の品質が低すぎて長時間使用に耐えなかったことから、あとで14インチカラーCRTを追加購入し、事実上のデスクトップマシンとして使うようになりました。また、40MBのHDDを購入し、オマケでついていたユーティリティソフト(MS-DOSとアプリケーションとの間で操作性を高めるソフトで、感覚的にはWindowsを簡略化したような感じ)にアプリケーションを登録することでFDDの抜き差しが不要になり、飛躍的に速度と操作性が向上しました。

PC486NA/S2は、一応、Windows3.1対応を謳っていました。しかしスペック的にはギリギリで、しかも私自身にWindows3.1を買う意志がなかったので、あくまでMS-DOS用のマシンで終わりました。さらに時代はWindows95に突入していきます。こうなるともうどうにもなりません。ハードウェア的には健全のまま、時代についていけないマシンとなって、その役割を終えることになりました。

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